THE ART OF PERFUME

1983年、サルバドール・ダリは最初のフレグランスを発表した。それは、妻であり、彼が激しく恋しているミューズでもあるガラへささげるフレグランスだった。ダリにとって香水は、記憶や幸福な時間をよみがえらせる「最も美しいメッセンジャー」。

マルチな才能の持ち主であるダリは、自然にフレグランスに興味をひかれた。香水とはアートとファッションの中間にある。いわばアートの一種だ。

1981年、絵画「クニドスのアフロディテの出現」を仕上げたあと、ダリは香水のボトルをスケッチした。美と愛の女神の官能的な鼻と唇から得たインスピレーションだった。このスケッチこそが1983年に限定ナンバーつきのクリスタルボトルで発売されたダリのフレグランスの発想の源だった。

大芸術家が選んだ女性のための香りは、貴重で純粋なジャスミンとローズの官能的なブレンド。ジャスミンは彼が絵を描くときによく耳たぶに挟んでいたあの花だ。

世界初のアーティストによるフレグランスで、その「彫刻的なボトル」は真のアート作品である。その後の男性用、女性用のサルバドール・ダリ　フレグランスコレクションの創造の出発点となった。アーティストの想像力を刺激し続け、有名なダリの唇の署名とともにブランドとして確立された。